DashCommandを用いた車両データ計測

富士スピードウェイで毎年2回行われているエコカーカップでどうも燃費が出ないため車両データを計測したくなり導入。使用する際のコツを書き留めておきます。


用意するもの

スマホアプリ(DashCommand)

いろいろ試してみたのですが、iPhoneではDashCommandが一番使いやすかったです。値段は1200円ぐらいで有料です。android版もあってこちらは無料でダウンロードできますが、アプリ内課金をしないとデータが計測できません。

開発元(Palmer Performance Engineering)のHP内にユーザーのフォーラムもあり、そちらで使い方の情報が得られます

OBD接続ツール(ELM327)

いろいろ対応しているみたいですが、ELM327というチップ互換のツールが安く出回ってます。amazonで探すとたくさん出てきますが、ここでiPhoneに対応しているのはWiFi版のみですので注意してください。Bluetooth版の方が安価で消費電力も少ないのですが、iPhoneがBluetoothのシリアルポートプロファイル(SPP)を対応していないので無理なようです。

スマホとの接続

まずELM327を車両のOBDコネクタに接続し電源を入れます。するとWiFi親機となるのでスマホからそのAPに接続します。AP名は『WiFi_OBDII』や『VLINK』等となっているようです。

次にスマホのDashCommandを立ち上げ、「SETTING」内の「OBD-II interface type」を「ELM」にします。

また、「OBD-II Data Port」は「AUTO」のままでよいですが、うまく行かないときは「Custom IP」でIP addressに「192.168.0.10」Portに「35000」を設定すれば良いはずです。

ELM327について

もともとはElmElectronicsが販売しているPICにソフト焼いた物だったようですが、amazonで売られてるのはそのコピー品又は互換品みたい。データシートは本家のページにありました。OBDデータを簡単にRS232Cで扱えるようにしたもののようで、ATコマンドで操作できます。

実際にどのようなデータが流れているかはパソコンからTeraTermで確認することができます。まずはパソコンと接続します。

WiFi版の場合

  1. WiFiをELM327のAPに接続
  2. TeraTermでIP:192.168.0.10,Port:35000,Telnetで接続

Bluetooth版の場合

  1. BluetoothでELM327のを登録。SPPで仮想COMポートを作る
  2. TeraTermで上記COMポートに接続。通信速度は38400に設定します。

その後ATコマンドで動作確認できます。ここで注意点ですが、送信改行コードはCR+LFにしてください。

パソコン用ログ操作ソフト(ScanXL)

Palmer Performance Engineeringが販売しているプロ用の計測器の操作用ソフトのようですが、このソフトでDashCommandのデータを直接パソコン扱う事ができます。有料のライセンスが無いとこのソフトでデータ計測ができないのですが、ライセンスが無くてもDashcommandが吐いたlgfファイルを読み込み、表示したりcsvに変換することはできます。開発元のダウンロードページから入手できます。Standardの方でもProの方でもどちらでもよいです。

DashCommandのログデータをまとめて読み込む方法

DashCommandのログデータは1件ずつMailで送付するかiTunes用に吐き出すことができるのですが、操作に時間がかかって面倒です。以下の方法でまとめてScanXLで読み込む事ができます。

  1. ScanXLをインストールしておく
  2. iTunesでiPhoneのDashCommandアプリ内データ「ppe_fleetdb.vdb」を取り出す
  3. 「C:\ProgramData\ppe_fleetdb.vdb」に上書きする

これでScanXLを起動するとDashCommandで保存されたログデータ全部が扱えます

パソコン用スキン作成ソフト(DashXL Skin Editor)

DashCommandの「DASHBOARDS」の表示のスキンを作成するソフトです。メインメニューの「GAUGES」でカスタムゲージを並べたり、「DATA GRID」でリスト表示させてもよいのですが、見栄えが悪いのとデータがたくさん表示できないです。DashXLを使うことで「DASHBOARDS」の画面を自由に変更できます。また、データのログを取る際に”画面に表示されている項目”が保存されるので、保存したい項目を切り替えたいときにも役に立ちます。

使い方に癖があって作ったスキンは直接スマホにインストールできません。以下の手順を踏んでください。

  1. DashXL Skin Editorでスキンを作る
  2. DashXL.netにアップロードする(この際に先にDashXL.netのアカウント作成が必要)
  3. DasshCommandのDASHBOARDS画面で長押しして「Select Dashboard」→「Download dashboards」でDashXL.netからスキンをインストールする


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